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不良や暴走族にスポットライトを当てたヤンキー漫画。昭和から令和にいたるまで、さまざまな作品が発表されてきました。男性向けの読み物というイメージが強いものの、実は女性に人気の作品も数多く存在しています。若い頃、ヤンキー漫画の世界に憧れたという人もいるでしょう。
そこで今回は、数あるヤンキー漫画の中から映像化されている話題作など18作品を厳選しました。おもしろいヤンキー漫画を探している人、流行りの作品を知りたい人は要チェックです。
「東京卍リベンジャーズ」は、SFとミステリーの要素を取り入れた異色のヤンキー漫画です。主人公の花垣武道が突如としてタイムリープの能力に目覚め、不良だった中学時代に戻って恋人や仲間の運命を変えるために奮闘します。いくつもの伏線が複雑に張り巡らされていて、どのように花垣武道が行動すれば運命を変えられるのかというところが見どころです。
さらに、暴走族チーム東京卍會の初代総長・マイキーを筆頭に、個性的なキャラが数多く登場しているため、自分の推しを見つけるという醍醐味もありますよ。2021年には、テレビアニメ化、そして実写映画化されて、社会現象が起きるほどの大ヒットを記録しました。
「今日から俺は!!」は、三ちゃんと伊藤君、もともと平凡な少年だった2人が高校入学を機に不良になる学園ものです。正反対の性格の2人が反発しながらも仲良くなり、数々のトラブルを切り抜けます。コミカルなエピソードが多く、くすっと笑える内容です。加えて、しれつな抗争が少ないため、今までヤンキー漫画を避けてきた人でも親しみやすいですよ。
2018年に放送された実写ドラマが好評を博し、2020年には実写映画が公開されました。その影響により、リバイバルヒットしています。ちなみに、実写ドラマの放送に合わせて連載していた「今日から俺は!!〜勇者サガワとあの二人編〜」は、本編でサブキャラだった佐川が主人公です。ぜひ合わせて読んでみてください。
「ギャングキング」は、不良の巣窟と化している高校の工業科が舞台です。そこに通う主人公の少年ジミーは、幼い頃すご腕の彫り師に命を救われて以降、和彫りの奥深い世界に魅了されるようになりました。自分で自分の身体に彫り物を入れるなど、狂気に満ちた一面があるものの、高校生活を通じて人間的に成長します。
かけがえのない大切な存在と出会う喜びがリアルに表現されているので、胸がグッと熱くなりますね。特に、ジミーと、その親友バンコの強い絆を描いたエピソードは感動的です。涙なしでは語れません。また、柳内大樹さんが過去に発表した作品のキャラが登場しているため、クロスオーバー作品として楽しめますよ。
「クローズ」は、主人公の坊屋春道を中心に、ケンカと遊びに明け暮れる不良たちの姿を描いた青春群像劇です。抗争が巻き起こるシーンは、迫力満点です。その緻密な画力によって、男のプライドが激しくぶつかり合う様子を伝えています。また、抗争の末に生まれる友情も丁寧に描かれていて、人間関係の変化も見どころとなっています。
番外編の「クローズ外伝」と「続クローズ外伝」、続編の「WORST」も合わせて読めば、「クローズ」の世界観にどっぷり浸れますよ。また、2007年から2014年にかけて実写映画3本が公開され、「クローズ」の注目度が急上昇しました。王道のヤンキー漫画と言えば、まず「クローズ」を思い浮かべる人もいるでしょう。
「ろくでなしBLUES」は、主人公の前田太尊が並々ならぬ腕っぷしと男気を武器に、プロボクサーの道を目指すサクセスストーリーです。不良たちが壮絶なバトルを繰り広げる長編、ギャグを全面に押し出した短編、この2つのエピソードがバランスよく組み合わされています。連載当時には、前田太尊に憧れてボクシング部に入る男子高校生が少なくありませんでした。
さらに、ヒロインの七瀬千秋をめぐって、前田太尊が他校の強敵と戦うという少女マンガ的なエピソードもあるため、女性の読者からも一定の支持を得ています。不器用ながらも互いを一途に思い続ける前田太尊と七瀬千秋の様子には、胸キュンが止まりません。青春って素晴らしいとしみじみ感じさせてくれます。
「湘南純愛組!」は、鬼塚英吉と弾間龍二が主人公の物語です。地元で鬼爆コンビの異名で恐れられていた2人が湘南に転校し、数々の伝説を作るというハードボイルドな内容です。
序盤はラブコメディーの要素が強いものの、中盤あたりから男気をテーマにした熱い物語がメインに描かれています。鬼塚英吉と弾間龍二が自身の正義を信じて、凶悪な暴走族チームと対決するエピソードは、とてもカッコイイです。特に、愛車のオートバイにまたがって走行するシーンは、最高です！
ちなみに、1996年に週刊少年マガジンで連載していた「BAD COMPANY」は、「湘南純愛組!」の前日談です。中学時代の鬼塚英吉と弾間龍二を垣間見ることができます。
「GTO」は、「湘南純愛組!」の続編といえる作品です。かつてバリバリの不良だった鬼塚英吉が教師に転身する学園もの。イジメ、不登校、教師間の嫌がらせ行為など、実際に現代社会で問題となっている事象を鬼塚英吉が破天荒な手法でズバズバ解決していきます。痛快なストーリー展開です。鬼塚英吉の過去から教師になるまでのエピソードが盛り込まれているため、「湘南純愛組!」を読んでいない状態でも存分に楽しめます。
1998年に反町隆史さん主演で実写ドラマ化された時には、「グレートだぜ」というセリフが流行しました。また、2009年からは番外編の連載が始まっており、グレートティーチャー鬼塚英吉の快進撃はまだまだ続きそうです。
「BE-BOP-HIGHSCHOOL」は、ヒロシとトオル、不良のコンビがケンカと恋愛に没頭する姿を描いています。2人は、ケンカの強さがピカイチながらも無敵というわけではありません。さらに、留年しているため、いじられキャラになることもしばしばあります。不良ながらも憎めないところがあるため、応援したくなるんですよね。
物語は、他校の強敵との激しい抗争だけでなく、不良の男子高校生が抱える悲喜こもごもも織り交ぜていて、シリアスとコミカルの分量が秀逸です。ヤンキー漫画の元祖とも呼べる作品であり、「BE-BOP-HIGHSCHOOL」こそ青春のバイブルという人も多いかもしれませんね。
「カメレオン」は、1990年代のヤンキー漫画ブームの火つけ役といわれています。主人公は、どこか残念な容姿をしている少年・矢沢栄作です。矢沢栄作は、中学時代に凄惨なイジメを受けながらも、高校で不良デビューを果たします。しかし、女の子にあっさり負けてしまうほど、ケンカの才能はゼロに近いです。それでも、ネガティブな感情に押しつぶされず、お調子者の性格と悪運を武器にカリスマ性のある不良へと成り上がっていくのです。
自分の弱さを受け入れながら前進しようとする矢沢栄作の姿は、すがすがしいです。「カメレオン」を読むと、矢沢栄作のように自分も頑張ろうという気持ちになれますよ。
「ごくせん」は、悪名高き高校が物語の舞台です。そこに勤務する主人公の山口久美子（通称ヤンクミ）は、地味な容姿をしていますが、実は任侠集団の組長の孫娘で武道の達人です。正体を隠しながら教師の仕事に取り組むものの、いざピンチとなれば極道魂を抑えきれません。
時に厳しく時に愛情をこめて指導することによって、教え子の不良たちと信頼関係を構築していきます。その様子は、笑いと感動の連続で、甘酸っぱい感情を思い出させてくれます。また、レディースコミック誌に連載されていただけあって、ほどよくラブストーリーもあります。ふんどしの似合う男を理想としている山口久美子が誰と一緒になるのか、恋愛の行方も見どころです。
「湘南爆走族」は、暴走族チーム湘南爆走族の2代目リーダー江口洋助を中心に、神奈川県の湘南海岸で活動している不良たちの日常を描いた青春群像劇です。抗争だけでなく、キャラクター1人1人の個性も丁寧に表現している点が特徴的です。不良たちが育む絆、そして密かな恋心、これらの思春期ならではの感情がヒシヒシと伝わってきます。
ちなみに、2022年にヤングチャンピオンで連載を開始した「湘南爆走族ファーストフラッグ」は、暴走族チーム湘南爆走族 初代のメンバーに焦点を当てた人間ドラマです。1970年代から1980年代のヤンキー文化が色鮮やかによみがえっています。
「A-BOUT!」は、ちまたで戦闘地域と呼ばれるほど危険な高校が舞台です。そこに転校してきた主人公の少年・朝桐真之輔は、自由を愛する俺様キャラでした。不良として伝説を打ち立てるため、底意地の悪い先輩に真っ向勝負を挑みます。校内には上級生イコール絶対的な存在という暗黙のルールがありますが、一切そんたくしません。理不尽な状況下でも不屈の精神で戦う姿は、まさに男の中の男です。
その一方で、朝桐真之輔の天然な部分をテーマにしたエピソードがあるため、シリアスとギャグのバランスが絶妙です。普段ヤンキー漫画を読む機会がない人でも、飽きることなくサクサク読み進められるはずですよ。
「クローバー」は、小学校時代の仲良しトリオが高校進学を機に再会し、少しずつ友情を取り戻す物語です。がつがつトラブルに頭を突っ込むハヤト、親のために借金を抱えるケンジ、そして知性派のトモキ。暴れん坊だけど友だちを大切に思う3人の青春がイキイキと表現されています。残酷な命令を下す先輩など、危険人物が続々と立ちはだかり、ドキドキハラハラする内容です。
特に、ハヤトが不良パワーを発揮して、絶体絶命のピンチを回避するシーンは、スカッとします。どれだけ友情や青春が尊いものであるかを改めて考えさせてくれます。昭和の不良をほうふつとさせるバイオレンスな描写が多いため、王道のヤンキー漫画を愛する読者から高い評価を得ています。
「ナンバMG5」は、従来のヤンキー漫画とは異なり、不良を卒業することがテーマです。主人公の少年・難波剛は、家族みんなバリバリの不良という特殊な環境で育ち、中学時代に悪名をとどろかせていました。しかし、高校入学を機にかわいい彼女と交際するようになり、真面目な生徒に変わろうとします。ところが、家族から不良のエリートになることを期待されてしまい、真面目な学生と不良という2つの顔を演じなければならなくなるのです。
難波剛が最終的にどのような選択をするのか気になってドンドン読みたくなります。2022年には、間宮祥太朗さん主演の実写ドラマが共感を集め、原作の「ナンバMG5」の注目度も急上昇しています。まさに今読むべきヤンキー漫画と言えるでしょう。
「OUT」は、品川祐さんの小説「ドロップ」に登場した実在する人物・井口達也がモデルです。井口達也は、かつて伝説の不良という異名で恐れられるほどのカリスマ性を持ち、暴走族チームの特攻隊長でした。少年院に入ったことで更生を決意するものの、周囲にトラブルの火だねが絶えません。なにか問題を起こせば直ぐ少年院に逆戻りという状況のため、ジレンマを抱きながら、更生の日々を送ることになります。果たして井口達也が更生を成功できるのか、その動向に目が離せません。
ちなみに、イラストが美麗な点も大きな魅力の1つです。主人公の井口達也、暴走族チーム斬人の総長・丹沢淳司など、イケメンのキャラが数多く登場するため、女性の読者も親しみを持ちやすいですよ。
「サムライソルジャー」は、東京都渋谷が物語の舞台です。数々の不良集団が乱立していたところ、突如として桐生達也が渋谷統一を宣言したことが引き金となり、抗争が発生します。かつて桐生達也と行動をともにしていた藤村新太郎は、花屋で真面目に仕事をしていましたが、その暴挙を見過ごせません。渋谷統一を阻止するべく、たった1人で初代「藤村新太郎」を立ち上げるのです。不器用な男たちが拳で語り合う様子は、心にグッとくるものがありますね。
また、ストーリー展開も秀逸です。なぜ桐生達也は渋谷統一に執着しているのか、だれが抗争による利益を得ようとしているのか、物語が進むにつれて伏線が見事に回収されます。
「エリートヤンキー三郎」は、千葉県内屈指の不良校が物語の舞台です。そこに新入生として入学した大河内三郎は、内気で温厚な性格の少年でしたが、兄たちが教師や警察に恐れられる存在だったため、最凶という不本意なレッテルを貼られてしまいます。そんな大河内三郎は緊張が極限になると無敵になるという特異体質により、校内を取り仕切るエリートヤンキーに成り上がるのです。劇画風のタッチとシュールなストーリー展開が融合し、みるみるうちに作品の世界観に引き込まれてしまいます。
また、2005年から2010年にかけて連載していた「エリートヤンキー三郎 第2部：風雲野望編」も必見です。大河内三郎以外のキャラにもスポットライトが当てられているので、第1部とは違う楽しみがありますよ。
「六道の悪女たち」は、いじめられっ子の大逆転を描いたサクセスストーリーです。主人公の六道桃助は、引っ込み思案な性格のため、校内でイジメの標的にされていました。ある日、不思議な能力が身に付き、校内のスケバンから無条件で好意を抱かれるようになります。その後も数々の悪女に言い寄られますが、彼女たちを利用しようとはしません。むしろ自分自身の力で積極的に騒動を解決するようになります。
六道桃助の人間的な成長とともに、悪女との恋の行く末が見どころです。特に、六道桃助と向日葵乱奈が急接近するエピソードは、胸がキュンとなるポイントが盛りだくさんです。2人の様子から理想の高校ライフを思い描いた人もいるかもしれませんね。
ひとくちにヤンキー漫画といっても、シリアスな青春群像劇からギャグコメディまで、さまざまな作品があります。その魅力は千差万別です。実際に読んでみると、きっとヤンキー漫画のイメージが変わりますよ。
作品を通じて、自分にとって本当に大切なモノはなにかを考えさせられることもあるでしょう。よむるんでは、ヤンキー漫画を種類豊富にラインナップしています。ぜひ、この機会に気になっている作品をチェックしてください。
