人間交差点

シリーズ完結
人間交差点 1 (ひゅーまんすくらんぶる001) / 弘兼 憲史(画)/矢島 正雄(作)

シリーズ作品

人間交差点 2 (ひゅーまんすくらんぶる002)
人間交差点 2
仮出所日直前になると、何故か脱獄を繰り返し、刑務所に居続ける服役囚・鈴木。自分の女を殺した罪で捕えられたのだが、彼を捕まえた高橋刑事は、誰かをかばっているのではないかと、疑いの目を向ける。そして、殺人事件の時効を迎える15年の歳月が過ぎ、鈴木は「今度の出所日は脱走をしない」と明言。やはり他人の罪をかぶるために脱獄をし続けたのだ、と高橋は確信するのだった。そして、鈴木はたんたんと、自分と、殺された女・文子についてを語り出す(第1話)。▼「人間は金のために動く」という信念を持つ男、塩見。だが今、彼は家を出た妻・夏子に会うために、山に登っている。借金のカタに手に入れた、年の離れた妻との間に愛情があろうはずもない。だが彼は「愛していない、愛されていない」はずの女を迎えに、今、険しい山を登る。この不可解な自分の行動に自問自答しながら…(第2話)。▼終電近い電車の中にガソリンが撒かれ、放火される事件が起きた。だが、警察は犯人どころか、手がかりさえつかむことができない。焦る捜査員の中で、片田刑事は、この事件で唯ひとり生き残った男「マンジュウ爺さん」に注目する。しかしその男は、何が目の前で起きようと、何も見ていない廃人同様の人物で、目撃証言は得られない。だが片田は、彼が「マンジュウ爺さん」と呼ばれるに至った理由を探り、そこから事件の真相を解きほぐしていく(第7話)。
人間交差点 3 (ひゅーまんすくらんぶる003)
人間交差点 3
少年はじめは、飲んだくれの父親に、学校へも行かせてもらえず、働いている。ある日、新任の女教師が、はじめを学校へ来させるように、父親に直談判にやってきた。だが、激怒した父は暴力に訴え、はじめは頭部に怪我を負ってしまう。そして、もうろうとする意識の中で、彼は手に斧を握りしめるのだった。意識を取り戻した時、父は頭を割られて死んでいた。だが、やってきた伊勢湾台風によって、家も、父の死体も、何もかもが押し流されていく。歳月が過ぎ、はじめは、女教師の保護のもと成長し、医者となっていた。だが、ある日、工事中に発見された白骨遺体が、父のものであることに気づく(第1話)。▼頭蓋骨の傷が生前についたものか、死後についたものかを確認するため、はじめのもとに父の遺体が運ばれた。23年ぶりの父との対面。確かに、頭蓋骨には、あの時彼がつけた傷が額に刻まれていた。死後の損傷によるものと警察に報告し、それですべてが終わったかのように思えたその時、女教師が衝撃的な告白をはじめる(第2話)。▼女性新米刑務官の田村と、収容者の村上優子は、何かにつけて衝突する間柄。優子は、幸せな結婚生活を送っていたのに、ふとしたことから知り合った男と関係を持ち、横領事件に関わってしまった女だった。そして、彼女は離婚した夫や子供に、許してくれるのなら、12月1日の午後1時に、紙ヒコ−キを投げ入れてほしいと手紙を書き続けているのだと、ある日、田村に打ち明ける。だが、その時間は、優子は作業に従事していて部屋の外に出られる時間ではなかった(第3話)。
人間交差点 4 (ひゅーまんすくらんぶる004)
人間交差点 4
麻薬常習者だったという過去を背負った女・由起。だが、それを一時の過ちと理解してくれた男と結婚、夫とともに郊外に転居してきた。だが由起は、牛乳配達人と話しているところを、噂好きの警察官の妻に見られてしまう。何もやましいことはないのだが、妙な噂を流されているのでは…とどんどん妄想が広がる。そんな時、警官の妻が、彼女をジョギングに誘った。だがジョギングの途中、さらに妄想に取り付かれた由起は、警官の妻を突き飛ばし、彼女を殺してしまった(第1話)。▼娘の結婚を控え、刑事の父娘が旅行をすることになった。だが娘は、妻子あるほかの男を愛していた。仕事、仕事でいつも家庭のことなど何も知らなかった父。今の娘の状態についても何も気づいていないだろう。だが、旅先の旅館で娘は、父が昔ここで、悲しい恋を終えていたことを知る。その時父は「実らせることができない愛なら、辛くても諦めるべきだ」と語っていたことを旅館の女将から聞かされる。その言葉に、父が何故この旅館に自分を連れてきたのか、娘は痛いほど理解するのだった(第2話)。▼新聞社社会部きっての記者だった前田は、突然田舎の支社に左遷された。くさった前田は、仕事をする気も起きない。そんなある日、一件の火災が発生。両親が死に、娘がひとり生き残った。だが、そこに前田は事件の匂いを嗅ぎとり、火災が病身の両親の看病に疲れた娘が起こした放火だったことを突き止める。スク−プに成功した前田。だが、その記事が、娘を自殺に追い込んでしまう(第3話)。
人間交差点 12 (ひゅーまんすくらんぶる012)
人間交差点 12
正一の家は母子家庭。母親がひとりで切り盛りする自宅の喫茶店には、売れない漫画家の吉岡と八百屋の若旦那がいつもたむろっている。母は日頃、そんなふたりを「人生に失敗した大人」と呼んでいた。だがある日、母親が正一を置いて家を出ていく。学校に警察がやってきて、母は、会社の金を横領した男と一緒だと告げられる。その日、誰もいないはずの喫茶店に帰った正一を、カウンタ−の中から吉岡が迎える。そしてこの日を境に、吉岡と正一との共同生活が始まった(第1話)。▼私立探偵の松本に、代議士から仕事の依頼が入った。最近、娘の様子がおかしいので身辺を調べてほしいという。10日間、娘を尾行した松本は、特に何もなしと代議士に報告するのだったが、9月20日頃、娘がひどくおびえた様子だったという母親の供述が気にかかり、再調査をはじめる(第3話)。▼母親が死んだ。だが、母の死を本当に悼む子供は、兄弟4人の中でひとりとしていない。何故なら母は、おせっかいやきのお調子者で、他人の言いなりに金を貸してしまうため、兄弟が全員働き出しても、いつも家には金がない状態だったからだ。そして月日が経ち、ある日末弟の純に、母の気持ちが痛いほどわかる日が訪れる(第7話)。
人間交差点 13 (ひゅーまんすくらんぶる013)
人間交差点 13
殺人事件の容疑者を追って福岡にやってきた刑事の片田は、そこで意外な人物に出会う。その男の名前は矢崎。高校以来の親友で、学生時代、何においても彼の右に出る者はいないような優秀な生徒だった。だが、福岡の地で見た矢崎は、その頃の面影など見る影もなく、一人のチンピラになりさがっていた(第2話)。▼年老いてもなお、まだまだ血気盛んなラガ−マンの小坂は、今だにひとりで、もくもくとラグビ−の練習を続けている。その日もいつものようにラグビ−の練習を終え、シャワ−を浴びるために立ち寄った敬老会館で、小坂は、同じ年代の老いた男に出会う。その日、通常より早い時間に会館が閉まることを知ったその男は、余った時間をどのように使ったらいいかわからずに、とまどいをあらわにしている。そんな老人を見るに見かね、小坂は彼を誘い街にくりだしたのだが…(第3話)。▼病院のベッドの上で、ひとりの老人が臨終の時を迎えようとしている。自分の最後の時が間近に迫っていることを悟った老人は、傍らにいる息子に、ある秘密を告白をする。それは自分が息子・実の本当の父親ではないという衝撃的なものだった。そして本当の両親は、この男の手によって殺されていたのだった(第3話)。
人間交差点 14 (ひゅーまんすくらんぶる014)
人間交差点 14
大劇団の主宰・朝川は、金と権力に汚れた男だ。彼は外国ものの人気作品や、小劇団があてた演目を金の力で横取りし、自分のライバルとなりそうな劇団をことごとくつぶして今の地位にのしあがった。今度も小劇団が上演して人気を呼んでいる芝居の上演権を、姑息な手段で手に入れようとしている。だが、その小劇団の主宰は、学生時代、演劇部で同期だった男だった(第1話)。▼たびたびウソの危篤電報を打ち、甥の浩一をを呼びつける叔父は、かつて一族のホ−プだった人物。だが、ある日を境に突然、海辺の街に引っ込んでしまい、それ以来まったくの隠遁者となっている。今度もまた危篤電報で呼びつけられた浩一は、もう二度と叔父のところに訪れることはないだろうと思うのだが、日を経ずして再び届いた危篤電報を前に、また叔父のもとに駆けつけてしまう。そしてそこには、病床に伏す叔父・太の姿があった(第2話)。▼中国残留孤児の一家が、日本から、再び中国に帰ろうとしている。彼らを日本に呼ぶきっかけを作った新聞記者の原は、彼らに別れを告げるため空港にやってきた。だが原は、中国で医師をしていた男・佐藤に「あなたは残留孤児だ」と教えてしまったことが果たしてよかったのか、と自責の念にかられていた(第3話)。